近年高尿酸血症は痛風・尿路結石以外にも高血圧・慢性腎臓病・メタボリックシンドロームに関与している可能性があることが指摘されている。まずもって、高血圧が高尿酸血症と関連深いという事は周知の事実といえるだろう。
実際に、1mg/dLの尿酸値上昇に伴って高血圧発症リスクは13%上昇するという研究結果が出ており、このことから尿酸値の上昇そのものが高血圧のリスクを高めているという事が分かるだろう。
また、高尿酸血症はメタボリックシンドロームによくみられる病態であるという根拠は多く、高インスリン血症が腎尿細管における尿酸の再吸収を増加させ、その結果血症尿酸値を上昇させている可能性も考えられる。
高尿酸血症の生活改善指導としては主に食事療法と運動療法の非薬物療法である。食事療法では主にビールなどの飲酒制限・エネルギー摂取・果糖の過剰接収制限・十分な飲水の摂取、運動療法にて適度な運動を推奨するという流れになる。
これらの非薬物療法で改善が見込まれない場合には、無症候性に関わらず9.0㎎/dL以上を超えるようであれば薬物療法を考慮するという選択肢もある。加えて、尿路結石・腎疾患・高血圧などの合併症がある場合には、8.0㎎/dL以上で薬物療法を考慮する。とはいえ、薬物療法のみには頼らず患者さん自身も日頃の生活習慣を整える努力は必要だといえるだろう。
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