運動・身体行動に対する指導

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ジムやフィットネス等でおこなう運動・日常生活上で行われる身体活動を増加させる事は、生活習慣病の改善に有効である。また、それだけでなくロコモティブシンドロームや認知症の予防に対しても有用である。しかしながら、平成26年に実施された国民健康・栄養調査では、運動習慣が無いと回答した人は20~64歳で81.1%、65歳以上で61.1%と半数以上であったことが報告された。健康日本21を掲げている中、これは由々しき健康問題と言ってもよいのではないだろうか。
そこで、人間ドック健診の事後指導として食事指導だけでなく運動や身体行動の指導を行っていくことが大変重要であるのだ。もちろん、受診者一人ひとりの病態・生活環境等に応じた指導が大切であり、尚且つ定期的で継続的なサポートを要する。加えて、ロコモティブシンドロームや認知症の予防も視野に入れた上での指導が求められているといえるだろう。
さて、運動や身体活動を行うことはメタボリックシンドロームの改善に役立つのであるが、その本質は内臓脂肪過多にあるといえ、保健指導を行う目的もその改善で生活習慣病への進行を予防することである。メタボリックシンドロームの人というのは、食事や間食によるエネルギー摂取量が多い点や運動などによるエネルギーの消費が少ない点が要因として考えられる。そして、運動・身体活動を増やすことに対して抵抗感を抱いている人も少なくないと思う。保健指導を行うにあたって、一人ひとりの想いやライフスタイル・運動歴を聞き取ることも大切であるし、その中で適切な運動量を見定め、目標を提案することから始めていく。なぜこのように運動を重要視するかというと、例えば運動や身体活動をせず食事の減量のみを行ってしまうと必要な栄養素も不足してしまい、筋肉量も低下してしまいかねないのだ。加えて、食事制限を行うよりも運動を行う方が内臓脂肪の減少に効果的という報告もされている。基礎代謝量をあげていく為にも、食事と運動を組み合わせて減量を行っていく方がより効果的であるだろう。