冠動脈造影検査

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心臓の筋肉に栄養や酸素を運んでいるのが冠動脈です。ここが何らかの原因によって詰まってしまうと、狭心症や心筋梗塞など虚血性心臓病を発症してしまうのです。カテーテル造影は、まず手首か大腿の付け根部分からカテーテルと呼ばれる柔らかい管を動脈に挿入します。カテーテルの先端を冠動脈の根元まで進め、X線で白く映る造影剤を注入して冠動脈の形をX線”映画”を撮ります。手首から挿入する時は検査終了後すぐに歩く事が可能ですので、日帰りでの検査が可能です。大腿からの場合には終了後4~5時間くらいは安静が必要となる為、多くは入院検査という事になります。起こり得る合併症として、軽いものでカテーテル刺入部の血腫と動・静脈短絡、重篤なものだとカテーテル操作による脳梗塞があります。最近では冠動脈造影をCTで行う事が可能となっており、カテーテル造影法の代わりに用いる事が増えてきました。カテーテル造影は内容にも寄りますが、およそ30~60分ほど要します。それに引き換えCTならば1分以内の撮影で終了となります。ただ、双方いずれにも共通する副作用として放射線被曝があります。また、人によっておこる造影剤アレルギーがあります。カテーテル造影では、冠動脈の形(狭窄・閉塞・冠動脈瘤など)が、冠動脈造影CTでは冠動脈の形に加えて動脈硬化の性状つまり心筋梗塞になりやすいかどうかという事もある程度知る事が出来ます。本検査を受けるに際して、脳梗塞・大動脈解離になった事がある方・腎臓の悪い方・アレルギー体質の方は事前に医師に申し出るようにしましょう。