平衡機能検査

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めまいの程度、そしてその原因を調べるのが「平衡機能検査」である。その中でもいくつか検査方法があるのでご紹介していこうと思う。まず、「眼振検査」である。めまいを訴えている人は、眼球が絶えず特徴的な動き(眼振)をしている。その状態を検査するのである。フレンツェル眼鏡という被験者の目が拡大される眼鏡を装着してもらい、眼球の動きを観察する。動く物を目で追ったり、体位を変えたりなどして眼振の様子を測定していくというわけだ。

続いて「電気的眼振記録法(ENG)」である。先ほどの眼振検査を、器械を用いて記録も行っていくという方法だ。額・左右両方の目尻・左目の上下に電極をつけて眼振のグラフに記録するのだ。光の点をじっと見る・目で追う・光を3点にする等して観察と記録を行う。そのほかにもカロリック検査・体平衡機能検査・書字検査・自覚的垂直位・VEMP(前庭誘発筋電位)などがあり、どうすることでめまいの症状が現れるのか、末梢性の障害などがないか、その際の筋肉の動きはどうなっているのか等を調べるのである。

めまいと一口に言っても、内耳の前庭部若しくは三半規管の障害によるめまいの場合と、小脳の障害によって引き起こされている中枢性めまいの場合がある。また、椎骨循環不全による血管性のめまいというのもある。

一つ目の三半規管によって引き起こされるめまいは、視界がぐるぐる回る回転性のめまいで発作を繰り返すという特徴がある。二つ目の中枢性のめまいは、ふらふらする非回転性の状態が持続するという特徴を持つ。この特徴も、原因を特定する鍵の一つになるといえるだろう。これらの特徴を把握したうえで検査を行い、診断確定を行っていくのである。なお、中枢性の疑いがある時には、脳のCT・MRIの検査も行う必要があるだろう。 末梢性の場合に疑われるのは、メニエール病・突発性難聴・内耳炎・頭位変換性めまいなどだ。一方中枢性の場合、聴神経腫瘍・小脳の障害・頭部の外傷・脳出血・脳梗塞等が考えられる。めまいと大きくいっても、原因は様々あるという事がお分かり頂けただろうか。めまいの原因を特定し、適切な治療を行うことが大変重要である。