血清総タンパク量

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血液を採取して試験管などに入れてしばらく置くと、赤いゼラチンのような塊とその上に黄色っぽい上澄みが現れる。この上澄み部分の事を血清と言い、血清の中には約140種類ものタンパク質が含まれているのだ。これを血清タンパクといい、その総量を調べる検査がある。

体内のタンパク質は主に口にする食品より吸収され肝臓へと運ばれていく。そこで、血清タンパク・組織タンパク・酵素タンパク等が合成されていくのである。一方で不要なたんぱく質は尿などの分泌液と共に排泄されたり、肝臓やそのほかの組織で分解・処理がなされるのである。

栄養不足・栄養の吸収が不十分であると、肝硬変などでタンパク質の合成は十分に行えなくなる。すると、血清総タンパク量は低下する。加えて、腎臓が悪いと必要なタンパク質も尿と共に流れていってしまう為に、血清総タンパク量が低下してしまうこともある。その代表的ともいえるのがネフローゼ症候群である。

このように、体内のタンパク質がアンバランスになってしまうと、浮腫み・腹水・胸水といった症状が現れる。これらの症状が現れている場合、直ちに精密検査を行う必要があるだろう。検査値が6.0g/dL以下の場合が低タンパク血症とされ、食事などでタンパク質を補給する必要がある。8.5g/dL以上の値だった場合は高たんぱく血症とされ、脱水症・多発性骨髄腫などの病気が疑われてくる。いずれにせよ、医師の指示に従い治療を行っていただきたいものである。