人間ドックの意義

人間ドック健診ではたくさんの検査が行われます。しかし、ほかの検査よりも身体的な初見のほうがより効率的に様々な兆しなどをピックアップすることができる疾患があります。また、身体的な初見だけでなく、ほかの検査値などと組み合わせることによってより適切な診断や、治療方針を導き出すことができる場合もあるため、身体診察は重要な検査の一つであるといえると思います。一般的に身体初見から得られる情報というのは多岐にわたりますが、人間ドック健診では頸部触診、胸部長身、腹部触診が中心となります。頸部触診による甲状腺の触診というのは、甲状腺がんやなどの腫瘍性の疾患や、バセドウ病や橋本病などの甲状腺の機能異常をもたらす疾患のスクリーニングに役立ちます。胸部長身は心臓弁膜症や先天性心疾患のスクリーニングにとても役に立ちます。それは心電図検査や、胸部X線検査よりも診断に大きく役立つというデータもあります。また診察時の不整脈も重要です。心房細動は持続性でなく、発作性であっても脳梗塞のファクターとなりえるため、心電図検査の時には異常がないように見えても診察の時に発作性の心房細動が見つかったなんてこともあるのです。そのほか房室ブロックなどの不整脈も心電図検査には記録されないことがあるため診察時に注意する必要があります。腹部触診は腹部腫瘤の発見に役に立ちます。しかし多くの場合腹部超音波検査で発見が可能なのです。ですが腹部触診と超音波検査でのダブルチェックが重要になってくるので触診によって異常を感じたら超音波検査の担当者に報告するということが大切でしょう。直腸診などもありますが、大腸がんや前立腺がんの死亡率を下げるという証拠がないため、人間ドック健診では重要視されていません。