人間ドック健診の診察というのは短い時間で行う必要があり、全身をくまなく診察するということは困難です。なので診察の中心は頸部、胸部、腹部になります。甲状腺の触診は甲状腺の大きさ、硬さ、圧痛、周囲組織との固着について観察します低い位置の苦情戦では甲状腺の一部またはすべてが鎖骨に隠れてしまうため、この場合にはいっかいごっくんとしてもらうと甲状腺が上のほうに移動するため、触診しやすくなります。頸部リンパ腫の肥大が認められた場合はその大きさ、硬さ、圧痛、周辺組織との固着について観察し、2cm以上の場合や、硬く移動しないような場合は腫瘍の可能性が高くなります。頸部のみでなく、脇など全身のリンパ節の肥大を認めた場合にはリンパ腫を疑う必要が出てきます。胸部聴診により、心雑音を聞き取った場合には、その心周期、正常、最強点の位置そして放散の有無、強さに注意を払いましょう。聴診所見から心臓弁膜症や先天性心疾患の診断ができるのでより注意深い聴診が必要になってきます。心雑音が弱い場合や、動脈管開存症のように最強点が胸部正中から離れている心雑音は効き落としやすいので胸部長身は鎖骨の下から心尖部まで広くかつ注意深く行う必要があります。腹部触診で腫瘤を振れば際には、大きさ、硬さ、圧痛、拍動の有無について観察してください。多くの人間ドック健診では、腹部超音波検査が施行されるため、検査の担当者に情報提供することで細かい対応ができるようになります。
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